AOZORA motor
By Aozora Ikkyuu
工場

一休担当!?洗車作業!!

みなさん、こんにちは!一休です。

 暑い夏の記憶も薄れ、9月の雨の日々も落ち着いて過ごしやすくなるかなと思ったら。なんか、涼しいというか寒いような…。一休は服装も無頓着でいると同僚に

「一休さん、半袖ですね!」

 あー、元気いっぱいの小学生じゃないんですけど、ぼーっとして気が付かなかっただけです。と前振りが長くなりましたが、寒くなってくると水でバシャバシャ洗車はつらい作業ですよね。でも、車好きな一休は洗車も好きです。ですから、洗車を言われても嫌ではありません。最初のうちは工場の代車の洗車をさせていただいていましたが、最近はお客様のお車の洗車も任せていただけるようになりました。本日は…

Mercedes-Benz W140

 当時のメルセデスの誇る最高級の旗艦であり、20世紀最後の名車の一台です。販売的には成功ではなかったようですが、一休の世代のメルセデスといえばやはりこれです。日本では人気がありましたし。それに20世紀最後のといったのはメルセデスにとって、コストを度外視した過剰品質がもたらす当時のメルセデスらしい車づくりの最後の車であるといわれているからです。

 さて、洗車に取り掛かりますが…でかい!!ルーフの奥に手が届かない…。ワンボックス車の清掃のように脚立をとってこなきゃ。まあ、このW140は先代のW126に比べて二回り大きくなったことが話題でした。もちろん重量もお値段も。それに、ルーフに関してはデザイナーからしても最初の思惑から10センチも高くなってしまったそうです。その分、室内も広大でミニバンなんて必要ないでしょう。サイドウインドウも改めてみるととても大きいです。

 それにこのお車は5987㏄Ⅴ型12気筒AMGです。本当に最高中の最高級(^^)v。丁寧に乗られており水洗いで光沢を取り戻します。一休のイメージではこの頃のメルセデスはコストに囚われない過剰品質の乗り心地である反面、内装などは実用面を重視したシンプルな造りでしたが…さすが最高級、この時代にして何個モーターついているんだろうこの車…と思ってしまいました。オーナー様の丁寧なお取り扱いのおかげでそのほとんどが完調のように感じられます。

 最後の拭き上げでボンネットを開けると、これも今ではめったにお目にかかれない、いえ、今後も新たに生まれることのないだろうこのエンジンが現れます。本当に大げさではなく、一休は感動しました。一時代の自動車産業の壮大さが伝わってきたのです。このお車、20年以上の歳月を経て、オーナー様にも恵まれ良い状態を保っています。今の時代、大排気量12気筒は細っていく運命かも知れません。お車の価値ももう高くはないかもしれません(一部このような状態の良いW140は高値で取引されているようです)が、このように良い状態で維持されていることは素晴らしいですし、今後もメンテナンスをお任せいただければと思います。

洗車の最後に思うこと…

 洗車は一休のような素人にも、大きな失敗なく扱えるメンテナンスとも言えますが…。私にとっては、工場のスタッフが愛情込めて整備されたお車の最後のラッピングだと思います。せっかく丁寧に整備されたお車も最後の清掃に不備があると台無しです。そう思い、一休もお車のオーナー様の気持ちになって洗車しています。ただ、プライベートで洗車すると半日も一日もかかってしまうこともあります。アマチュアでも経験のある人はプロに近い仕事もできると思います。しかし、プロとアマチュアの大きな違いは、成果と時間のバランスが一つあるのではないでしょうか。マチュアは趣味でいくらでも時間を使えますがプロが洗車に何時間もとるわけにはいかないでしょう。一休も洗車をしているとあそこもここもと清掃したくなりますが、時間は1時間以内と想定しています。その中で、オーナー様に気持ちよくお乗りいただけるように心がけています。

 でも…このお車の洗車も感動しました。洗車させていただいてありがとうございました。

                  一休 m(__)m